ターミナル自主学習帳

個人用の読書記録などなどです

パリに咲くやつを観たよ!

「パリに咲くエトワール」(映画、谷口悟朗監督)を観たよ!

おっこれは、久々に「可もあり不可もある脚本」!と思ったよ!

谷口悟朗はロボットを出さなくてもおもしろい映画が書けることを証明した、とか、きっちり100点の映画、という評判と、そのほかのあまり穏やかな雰囲気ではない感想の気配(こちらのほうが圧倒的に多い)を感じ取っていたので、この映画はおもしろいのか? おもしろくないのか? という真偽をはっきりさせるためにこの目で見たいと思い、同じような感じで鑑賞目的を持っていたらしいと後に知れる、マブの赤森さんとのこのこ観に行ったよ!

良かった点を書くよ!(完全にネタバレするよ!)

 

強者たちの物語

いきなりクライマックスの戦闘シーンについて書くよ!

なぜならこのシーンがこの映画の一番最高なところだからだよ!

クライマックスの戦闘シーン、詳しく書くと、千鶴が突然二刀流覚醒し、最強母からなんとか逃れバレエのステージに立つため立ち向かってゆくシーンだよ!ここでは、ずっとごろつきとして描かれていた三人のパリ男(まじで下層階級っぽい服装)が、フジコの叔父に金で買われて、なんと千鶴の加勢をしてくれるんだよ!そのなかでも特に、序盤で千鶴に負けた木刀ニキがいちばん最強母に肉薄していて(ただし「ここ、ここ、ここもっ!なんでこんなに隙があるのかしらねえ!」とか言われてぼこぼこにされかけた)、二刀流覚醒した千鶴に助太刀して、なんとか千鶴は最強母を倒すのである。胸熱すぎる。ここには、最強母、千鶴、木刀ニキにしかわからない、戦闘術の「強者の世界」の呼吸がまざまざと描かれていた。もちろんアクションの作画は最高だ。それまで敵対していたごろつきが、金で買われているとはいえ、千鶴の加勢をするために、とうていかなわない最強母に立ち向かうという展開も王道だが熱い。次、悪かった点。

 

・フジコの才能を比喩的に表す妖精がきもい

いや、これはまじでみんな思ったと思うのだが…。最初は幼いフジコがバレエの公演を見たときに始まる(ったような気がする)この演出。いや、きもいだろ。妖精なんだからもうちょっとこう、かわいい感じでいいだろ。なんでちょっとやなせたかし風味なんだよ(やなせたかしだってもっとかわいく描くよ)。

 

疲れてきたので以上で終わります。

以下は、エバーノートに残してあった下書き。(読まなくていいです)

・クライマックスの戦闘シーンがいちばん良かった、千鶴母強すぎるし、フランスの荒くれ木刀ニキの3段くらい上の強さだった。木刀ニキは千鶴に負けて千鶴を認めているからこそ、叔父さんに金で買われたとはいえ加勢したのかなと考えると、プライドのぶつかり合う強者の世界の話だぜ、アチィぜ、となった。
・フジコ絵かけよ問題なのだが、赤森さんに教わったところ、フジコが挙げた画家の名のなかにはかなりもう現代アートと言われるものの原型のようなグラフィック的なものも入ってきており、そりゃスケッチとか風景画やってたフジコは何描けばいいのかわからなくなりますわ、という感じだった。それでも描いて欲しかったけどね、好きな絵を堂々と。でも若いうちからスランプがあるなんてすでにキャリアを発進している印だと思い、凄いなと思った。
千鶴を応援する黒子に徹するフジコは性格は明るいのにその役回りはあくまでサポートで、そのアンバランスさが面白い!と思った。現代にも人のために色々尽くしちゃう系の人はいて、でもその人自身も結構才能を持ってるってパターン多いと思う。まあそれはそれとして、自分の夢が停止している状態でもあれだけ千鶴の夢を応援し世話を焼きプロデュースし、と働きまくるフジコはほんとに人のサポートが好きなんだなというか体が勝手に動いて、千鶴への嫉妬とかないんだなと思った。そういう人種いるんだよな。自分の創作活動がうまくいってない反動でそっちに活動的になってるという説明もつくが、フジコにはそれも必要な時間だったのだと思う。というか、手塩にかけて送り出した千鶴のバレエを見てフジコの絵への意欲もまた戻ってきたのだから、かなり遠回りだが、結局は自分のためになることをやっていると言える。千鶴という最上の創作意欲を掻き立てるバレリーナをステージに立たせたことは、フジコの人生にとってスランプを抜け出す必然の機会だった。そのために奮闘、奔走するのだから、最終的には全てが丸く収まるという綺麗な脚本だった。
・第一次世界大戦のパリで、このあと世界は大きな戦争を2度も起こし、彼女らがパリに戻ってくるとしてもかなり後になるだろうが、それでも戻ってくるだろうと思った(藤田嗣治がパリに戻ったように)。戦争は終わるということだし、戦前も戦中も戦後も、芸術家も誰も彼も、その時々を生きていかねばならないのだと思った。そして帰国しても、生涯、フジコと千鶴の友情は続くだろうし、フジコはルスランと結婚するのだろう。
・最初あまりフジコが主人公なのにかわいくないな、と思っていたが、成長した千鶴が出てきて、「こっちか!」と一瞬で分からされた。千鶴の美しさ、性格の良さは群を抜いている。フジコはそれに比べると他人に尽くす気質ではあるが、見た目も性格も凡庸で、制作陣のフェチが千鶴に詰まっているのを感じた。フジコもいい子なのだけれど、日本人の多くが憧れ共感するのは千鶴だろう。薙刀の師範格でバレエも天性のものがある。かっこよすぎる。フジコには人生を切り開いていく能力と絵が好きという才能がある。フジコの凄さがいまいちわからないのだが、ツグタフジコという名前によって、かろうじて藤田嗣治のオマージュなのかなと借景することができる。フジコはパリに来てただ独学で絵を描いているだけで、学校とか通わなくて良かったのだろうか。帰国してから美術学校には通ったことを信じたい。さすがに全部独学でというのはおかしいと思う。

 

 

【詩】雪見

おばあさんになったらとても恐ろしいことが待っているのだと現時点では信じている神の子らも、おばあさんになったら毎日をおそろしく生きなければならない。それってことわり?それって簡素なことばでいうと、愛?今の時点でとても恐ろしく生きているならおばあさんになっても変わらず恐ろしいだけで、だったら泳いで早くどっかへ行っちゃったほうがいいんじゃないですか。愛じゃないなら恐怖なんてない。それってことわりおことわり?お断りならこちらからさよなら言います悪くないかな。道行く犬(もちろん大人達を連れている)はみな聡明な目をしています。だからおばあさんの恋は犬の背中に乗っかって、無事に夏の砂漠へ行くみたい。安心するのは断然早くて、決断はできるかぎり遅いほうが有利だし、後出しなんていつでもするのがいい。頭のいい子が好きなんて誰も言ってない。言ってないのにやっぱり聡明な目はかたっている。ついてこれないなら計算ドリルと絵の具セットをあと5回ずつ。元旦までにその水色、5のつく数字で仕上げてきなさい。ね、こういう恐ろしさの先におばあさんの恐ろしさはたぶんあったけど、それってもう曇り空ふんわり薫る夜よりも先へ行ってしまったみたい。おばあさんをのけものにするのではなくてね。おばあさんは漂流することでおそろしさの一歩前でずっと踊っていることができるんです。だから行くんだよ。花が見たいなら雪をどかせばいいと。萎れた緑が待っているからと。救出して育てればいい。と、聡明じゃないおばあさんゃないところの私が保証をしてあげよう。その花を見られたら完成するあなたの雪見。

【詩】星を生む

星を生む

昨日から願ってたことが明後日叶うなんて信じられないほうが馬鹿。ほんとは今日にだって叶うそれは黄色いバケツの微熱のガーネット。切り花はすぐに水切りしないと夢さえ見るのは叶わない。理不尽通り越してドリーミング踊っちゃったほうが勝ちよっていいとこどりのお姉さんは屹とそう言う。馬鹿正直に水を吸っていたいのですと申告すれば、じゃあ星を生むのは来世ということでここはひとつ決着をつけるべき。泣きたい気持をがまんして飲みたい水をはきだして、ビートにゆれてユーロに飛んで腰つきはデンジャラスに、もっと踊れ、触れ、降れ、フレフレがんばれ。夢見たいなら水飲んで、星産みたいならダンスが待ってる。まいっちゃうよな星間飛行、きっとだれもが搭乗済みで、草花だけが地割れで揺れてる。可憐に揺れてる。弱いということ。死の中で生きているということ。

【詩】8月の無茶言うなよ

この海岸でひろえる貝殻はこの柄だけです。ってもう決まってる。それはいまが未来だからじゃない。SFだからじゃない。古代からずっと決まってるきっと。この白に茶色がまざった巻き貝。それと小指の爪みたいな桜色のちいさなきらきら。それだけです。それだけだってがっかりした自分はこの海岸のどの貝よりもうつくしくなくて、じゃあ私自身うつくしくなってみせろって、挑発されてもうつくしくならなくて、ただかなしくなっちゃった、砂を飛ばす。女子高生だった頃まねかれた他校の文化祭。左右で違うスリッパ。靴入れ用のビニル袋。あそこから今までで何歩うごいた?この海岸はどれだけきれいだ?あの雨の日といまとの間に距離はあるか?おとなになったか?老いたか?桜色の小指の爪は、いまだにいたいたしげに泣いているか。

すばらしく素晴らしい存在になっちゃえるのならそれでもいい。そうならないなら白に茶色の巻き貝をただ耳に当ててまた紺碧波に投げればいい。誰もあなたを待っていない。誰もあなたを信じていない。だから放り投げていいんだよ。左右違いのスリッパも、濡れて所在ない折り畳み傘も。喧騒の中張り付く前髪。ずっと前に会ってたね。あの時から長いこと時が立ちました。待つより先にやることがある。嫌いと言われるためだけにでも、桜色ははがれてゆきます。少しずつ決然と。どこからきてどこへゆくのか、巻き貝よりももっと知られない彼女らの葬列。

【詩】雪かむりの白そうび

首都高のオレンジのライト。あれってなんだか幸せな記憶としておぼえている?あなたがちいさな時もあれとおなじオレンジのライトが、きっと群馬の水上あたりで照らしていたよ。それがどうやら環状八号線。ねえ遠くまで来ちゃったね。ギアチェンジには随分黒い苦労も銀色の疲労もひろってきちゃったみたいだね。それでもオレンジのライトがまだ君のかわいいパールでふちどられた耳たぶを照らすよ。おこがましい、神々しいひかりで。このあと家に帰って郵便物と不在票と宅配ボックスをチェックして、ライン送って、歯磨きしてベッドにダイブだけれども、耳で揺れてたちっこいパール、それを食べちゃいたいなんて思ってた狼がいたことをあなたは知ってて、まだ皆には隠してる。おなかがすいたら言えばいいかな?そうこうするうち遅きに失し、めもあてられない首都高お礼参りにならないように、既読は早く、スタンプでもいいから。どうか眠る前に照らされて、あの林の中の土の上の枯葉の真横のぶわっとしたライト。えいえんに雪は降らないよ。雪をオレンジにする義理なんてかれらにないもの。白いそうびは気の毒だけど、シュガーパウダーかぶってるんるん。手折られるまでチョコ味隠して。環状八号線の上を飛んでいるとき、あなたが手土産にしていた、その白いそうび。かなしくなんてなかったよ、連れてきてくれてありがとう。

【詩】ひとりでごめんね

いきなり謝るっていうのもどうかと思うけどひとりでごめんね。あなたの世界がひとりでごめんね。ひとりきりで産み落としてしまって海からも遠く陸からも高くこんな空のまっ只中でひとりで輝かせてごめんね。あなたがひとりでいる間、わたしは若松河田で愛だよそれって愛だよなんてうそぶいたりしていて、絶対零度から沸騰百度までの温度差なんて誰でも知ってるようで絶対経験したくないんだろうね。ひとりにはおかしみがあって、それは何より大切かというとそうでもない。やっぱりひとりじゃないことより重要なことなんて皆目みあたらない。それでもみんなひとりです。ひとりで食器洗ってひとりでスーパー行ってひとりで預金下ろしてひとりで輝いています。おかしみなんてかなしみより少し地位が高いだけのしろもののくせに随分とはばをきかす。でもありがとう。私をひとりにしてくれた、どこかの誰かの怪物たちのおかげで、私は100度間のハピネスにそれって愛だよなんて言える。ひとりはこわいけどひとりはおかしい。ひとりで生まれてきてごめんね。だって美しく天に登る龍って、それもいつでもひとりでしょ。二匹で登ったらおかしいもんね。そんな理由。もっともな理由。私たちみんな龍じゃないのにやっぱり玉を持って生まれてきている。それを手放さずに光らせることができればそれでいいんだよ。

onBLUE(オンブルー)vol.25かんそう

 

onBLUE vol.25 (onBLUEコミックス)

onBLUE vol.25 (onBLUEコミックス)

 

 久しぶりに買いましたオンブルー!💕

目当ては特集「大人のボーイズラブ。」の横槍メンゴ先生の1P寄稿です。1P!このためだけに買いました!はい!!メンゴ先生(ヨリ先生)の同人誌(土沖)が私の中で一生一位を譲らない至宝なので、メンゴ先生がBLを描いてくれたらいいのになあっていうのはずっと言うと思います。特別寄稿のページは一枚絵とかじゃなく、全部漫画でした!感動しました!どの先生のページも気合入りまくりで‥大人のBLとはなんだ?って感じでどの先生も迷いながらって感じでしたがご自身の大人になってからの萌えの変化などを中心に描かれてました!

そして特集のあとは日高ショーコ先生のロングインタビュー!!私は憂鬱な朝が大好きで(というわりに最新巻をまだ読めていないのですが‥!!)、しかし日高先生がお二人で描いてらっしゃるとは全く知りませんでした‥!!プロット・ネームはタキエさん、作画は日高さんとざっくり分かれているようですが、そこはほんとに混じり合っていて、「二人で作っていく」過程がよくわかったインタビューでした。もう二人で一人じゃん!!と思って感動しました。魂の二人組ですね‥血縁とかじゃないのに二人でここまで描けるのはすごいすごすぎる‥‥。花は咲くか、嵐のあとのあたりのお話が多くて、でも憂鬱な朝のお話も後半にがっつりありました。憂鬱な朝‥(´இωஇ`)買い揃えないと‥!!という気持ちに強く駆られました‥(´இωஇ`)🌟

 

続いて連載陣の感想を‥!!言いたいのですが、連載がもうみんな結構進んでて、前を読まないとわからない‥!でもこれ、ジャンプとかでも同じだと思うんですけど、連載だとしても目を引く漫画とか、前後がわからないなりに心惹かれる漫画ってありますよね!!細かく言う時間がないのでタイトルだけピックアップです!

🌟松本ミーコハウス「ボーイズラブ!」テーマがはっきりしてたので、前後がわからなくてもわかりやすかったです!このくらいの情報量だとたすかる!

🌟紀伊カンナ「春風のエトランゼ」以前ちょっと読んでたのでその知識でなんとか‥それにしても登場人物が多すぎて誰が何やらやっぱりよくわからなかった!笑 でも絵がかわいいしお話も相変わらずよくてじんわりしました〜

🌟のばらあいこ「寄越す犬、めくる夜」受けが救われる回だったのでいい話だ〜〜オエ〜〜〜(´இωஇ`)てなりました

🌟川夏子「しらいくんのくびときず」首に傷を描くというのが新鮮で、物語の真相もなんだか詩的でこころに残りました〜!とってもオンブルーらしいお話だなと思いました(ヤマシタ遺伝子を感じると言いたい)

🌟緒川千世「赤のテアトル」ファッション業界のお話でパツキンロングの受けのビジュアルがかわいいです。さすがベテラン先生、お話がとっってもわかりやすかったです!!あと絵にもう一歩魅力があれば私もはまっていたかも‥

🌟紗久楽さわ「百と卍」いやーーーーーーもう圧倒的作画と時代背景の作り込みと‥キャラクターですね‥‥そして圧倒的くもはる遺伝子‥‥!!攻めがとにかく格好いい‥!今やってるドラマの石川五右衛門みたいな感じです‥キザがまったくキザにならない‥!受けがもうちょっと硬派だったら完全に落ちてました‥。受けはただかわいいだけの受けちゃんなのでそういうのが好きな人にはたまらないと思います。

 

以上です!

オンブルー前買った時はもっと満足度が高かった気がするのですが、今回は期待値が高すぎてそこまでではなかった‥!あと好きな受けがいなかった‥!!笑

レーベルごと解釈違い‥?//オンブルーはオンブルーというよりもやっぱフィールコミックス感が強くて‥今回の連載陣だと個性よりもフィール色のほうが強く出てて‥?って感じられました。たなとさんとかはらださんとかためこうさんとかの旬作家さんが多く載ってる号だったらもっと満足度高かったか?!とも思いました。個性派。でも気になってた紗久楽さわ先生のBLが読めてよかったです!うーーん一人だけもう作画と舞台設定の次元が違う‥‥。ひでよし先生のは前後がわからないので全然わかりませんでした!しかしヤマシタ遺伝子は強く感じました!ヒキはあれでいいのか?!って思いましたが、強くファンが付いているからいいのでしょう。新連載とか読み切りがもう少しないと、新規読者には敷居が高いのかな?って思いました。せっかくいい表紙と特集なので、中身でも引き込ませてくれるともっと嬉しかったな〜!と思いました!その点以前のためこう×高尾滋対談の号は神だったなと思いました!!